第16章

「椎名奥様……結城社長ですが、向かう途中で急用が入りまして、一度そちらへ立ち寄らねばならないそうです」

三上が手提げ袋を持って入ってきた。

険しい表情で、額には汗まで浮いている。相当急いでいるのだろうが、結城紗耶も深くは聞かなかった。

西川彩花は、朔夜が来たらさっそく話を進めるつもりでいた。ところが当の孫が来ない。

まあいい。焦ることはない。

あの子の性格じゃ、こちらが急いでも急げないのだから。

「こちらは結城社長から、瑚夏様へ贈り物でございます」

三上は二十数個の紙袋を、きっちりと揃えてダイニング脇のキャビネットの上に並べた。

瑚夏が横目で見ると、ずらりと並ぶ箱はどれも超一...

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