第36章

白いシャツをさらりと着こなし、広い肩に締まった腰、長い脚。車体にもたれているその姿は、雑誌のグラビア撮影みたいだった。

19株の惑霊茸は三つの箱に分けて詰められている。

結城朔夜は白井志紀に指示し、それを瑚夏のトランクへ積み込ませた。

「渡辺さん、俺の兄は……」

結城朔夜は一拍だけ言葉を置いてから、改めて続けた。

「以前、記憶を失って……殻に閉じこもってたんです。けど昨日、偶然が重なって……兄があのミニバンにぶつけて、記憶が戻りました」

「渡辺さんに会ったからです。あなたは兄の恩人で、俺の恩人でもある」

背筋の通った長身で、瑚夏の頭はちょうど彼の唇のあたりに届く程度。

朔夜は...

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