第44章

瑚夏は、結城朔夜の青ざめた顔をちらりと見た。

「従兄さん、安心して。ママには言わないから」

そう言い終えるや否や、結城朔夜の返事も待たずに四宮薫を見つけ、腕を取ってさっさとその場を離れた。

二人の背中が遠ざかると、黒田知也は腹を押さえて堪えきれずに噴き出した。

「はは……マジで笑い死ぬ」

「温泉リゾートの資金が吹っ飛んだんだぞ」結城朔夜は眉間に皺を寄せたまま、低く言う。

黒田知也はぴたりと笑いを止め、片手を上げて降参のポーズを作った。

「待って、社長。俺が悪かった。どうか慈悲を」

「次は俺がちゃんと従妹に説明するから」

「俺の従妹だ」結城朔夜が不機嫌そうに言い返す。

「は...

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