第78章

瑚夏はふわりと視線を向けた。

「私が社長だから」

「社長だからって、筋は通すべきでしょう?」

「筋?」瑚夏は口元だけで笑う。「通したい時だけ通すの」

「納得できない?」

瑚夏は薄く笑ったまま、女を見た。

「志那。この人、手続きに連れてって。人事は通さなくていい」

工藤海の者だからといって、全員を切るつもりはない。

だが、工藤海と不適切な関係にあった人間は、ひとり残らず消えてもらう。

向こうからぶつかってきた以上、会社に置いておく理由なんてない。

「なんで私がクビになるんですか?」

女は納得のいかない顔で食ってかかった。高く張った胸が怒りで上下する。

「志那。警備を呼ん...

ログインして続きを読む