第87章

「遥さん、まずは落ち着きましょう。たとえ結城さんが今は瑚夏様のことを好きだとしても、それがずっと続くとは限りませんよ」

美咲はできるだけ冷静に、理屈で言い聞かせた。

「むしろ、悪いことばかりじゃないと思います。結城さんが実際に瑚夏様と過ごすようになったら、瑚夏様の欠点だって目につくようになりますし。そのうち結城さんも気づくはずです。遥さんがいちばんだって」

「……ごめんなさい。私、ちょっと取り乱してた」

美咲の言葉にうまく宥められた椎名遥は、ようやく自分が行き過ぎていたことに気づき、頭を下げた。

「あなたの言うとおりね。野菜だって、食べてみて初めてこんなにまずいんだって分かるもの」...

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