第88章

瑚夏の反応があまりにも大きかったものだから、結城紗耶は、昨夜、結城朔夜に抱き上げられて部屋まで運ばれたことを本人が知らないのだと思った。

そんなことなら、なおさら教えておくべきだ。

そう思って、結城紗耶はくすりと笑う。

「だって昨夜、あなた眠っちゃってたでしょう? だから朔夜に抱いて上まで連れていってもらったのよ。あなた、あの子の腕の中でずっと運ばれてたのに、朔夜ったら息ひとつ切らしてなかったわ。自分で軽いと思わない?」

抱いて――?

瑚夏は一瞬で固まった。

朝起きたとき、昨日のことはほとんど覚えていなかった。結城朔夜の車に乗ったことだけはなんとなく記憶にあって、気づけば自分のベ...

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