第6章
沙良視点
「ドラッグをやってるの?」私は衝撃に目を見開いて彼を見つめた。
私を見て、涼の顔が真っ青になった。彼は慌てて袋を背中に隠した。「説明させて.......」
「直樹の借金を返すために、私をここに連れてきたの?」私の声は震えていた。「私に優しくしてくれたんじゃなくて.......ただ、利用してただけだったんだ!」
「違う! 沙良、君が思っているようなことじゃ.......」
「じゃあ、何なの?」涙が頬を伝った。「教えて!この数日間の優しさは、全部嘘だったの? ずっと私をあいつに渡すつもりだったの?」
涼は口を開きかけたが、何も言わなかった。その沈黙が、何よりの答えだった...
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