第153章 尾行される

菅野雪子は動かなかった。

彼女は神崎彩の意図をすでに察していたのだ。

「海外からわざわざデザイナーを招いたのは、新しいデザインチームを立ち上げるためですか?」

神崎彩は頷いた。「ええ」

菅野雪子は眉をひそめた。「ですが、それでは予算オーバーは確実です。たかが『セレスト』一つのために、そこまでする価値があるのでしょうか」

神崎彩は表情一つ変えず、淡々と言った。「『セレスト』のためだけじゃないわ。水瀬グループは百年の基盤があり、不動産事業も百年の信頼がある。品質は申し分ない。けれど、ここ十年、水瀬グループの不動産事業は停滞しているわ。長い間、ブレイクスルーがないの」

菅野雪子は納得が...

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