第156章 彼に一生私を忘れさせないつもりか

体を起こそうと試みた彩は、手足がガムテープで拘束され、身動きが取れなくなっていることに気づいた。

その時、コツコツと乾いた足音が響いてきた。

小柄な人影が目の前に歩み寄り、彼女を見下ろす。

神崎彩には顔がよく見えなかったが、相手が誰であるかは察しがついた。

九条莉奈だ。

彩は抵抗を諦め、その場に座り込んだ。ソファの縁に背を預け、膝を立てて、その上に腕を乗せる。

拘束されていながらも、その姿は不敵で堂々としており、彼女は冷ややかな視線を莉奈に向けた。

「こんな状況でも、随分と余裕なのね?」

莉奈は冷笑を浮かべて目の前の椅子に腰を下ろした。手の中でライターをもてあそびながら、まる...

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