第174章 私の金は、好きに使っていい

水瀬遥人は瞳を上げ、彼を一瞥した。

「休暇は許可してやる。だが、神崎が代わりに行くかどうかは、彼女に聞くんだな」

唐突に名を呼ばれ、神崎彩はそこでようやく我に返った。きょとんとした顔で目の前の二人を見比べる。

何か話を聞き逃していただろうか。

近藤七海が畳みかける。「じゃあ、これで決まりだ。神崎さん、土曜日は水瀬社長の付き添いでリゾートに行ってくれ」

「駄目です、私……」神崎彩は即答した。

「その日、用事でもあるのか?」

「……」

特に用事はない。ただ単純に行きたくないだけだ。

そうこうしているうちに、車は自宅の地下駐車場に到着した。

「ゆっくり話し合うといい」

そう言...

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