第185章 水瀬遥人にこの手を使う

八時きっかりに、神崎彩と水瀬遥人は栢野実の別荘に到着した。

門の前では二人の使用人と、栢野実の秘書であるアンキが待ち構えていた。

二人の姿を認めるや否や、彼らはすぐに歩み寄ってくる。

「水瀬社長、お待ちしておりました。さあ、どうぞ中へ。栢野社長も首を長くしてお待ちですよ」

そう言いながら、アンキは艶然と髪をかき上げ、色香を漂わせた。

だが、水瀬遥人は彼女に一瞥もくれず、そのまま足を止めることなく中へと歩を進める。

アンキの表情に、気まずさが浮かんだ。

彼女は自分の美貌に絶対的な自信を持っていた。これまで、彼女を見て目を奪われない男などいなかったからだ。

水瀬遥人のように、彼女...

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