第189章 媚薬失敗、自ら献上

十数分が過ぎても、あの女は戻ってこない。

神崎彩はもう構っていられず、時間を確認して水瀬遥人に身を寄せた。「水瀬社長、もう九時四十五分です。本当にそろそろお休みにならないと」

「ああ」

水瀬遥人は短く応じ、栢野実に別れを告げた。

栢野実も今回は引き止めず、自ら玄関まで見送りに来た。

背後には取り巻きたちが、物欲しそうな目でぞろぞろとついてくる。

帰路につき、ようやく水瀬遥人と神崎彩の二人きりになった。

彼は急ぐ様子もなく、悠然と歩を進めている。

一方、神崎彩はしきりにキョロキョロと周囲を警戒していた。

水瀬遥人が口を開く。「何を探しているんだ?」

「なんだか、これで終わり...

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