第11章 もうあなたを愛していない

松本寧音を家まで送り届けてから、林田景司は水の苑へ戻った。

使用人はすでに帰っていて、広くて明るいはずの家は、がらんと冷え切っている。

江口式はまだ帰っていなかった。

彼女が家にいるときは、こんなふうに静まり返ることなんてない。

笑って出迎えてくれて、「残業お疲れさま。夜食、食べる?」と聞き、黙って風呂の準備までしてくれる。

そう思った瞬間、林田景司は気づく。

江口式が彼の帰りを待っていたのは――いつが最後だった?

ジャケットを脱いで水を一杯注ぎ、記憶を手繰る。

松本寧音がロボット大会に出て、彼が彼女の面倒を見ながら仕事にも追われ、何日も家に帰らなかった頃からだ。

それから...

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