第33章 妊娠したの?

その後、お婆さんがどうにも腑に落ちなかったのは、そもそも林田景司が、なぜあのとき江口式との結婚を承諾したのかということだった。

林田景司は幼い頃から芯の強い男だ。自分がやると決めたことは滅多に曲げないし、他人の言葉ひとつで考えを変えるような性格でもない。まして結婚という一生の大事が、夏川媛のひと言ふた言で左右されるとは思えなかった。

当時、夏川媛が景司と式をくっつけようとしたとき、景司が最後まで強く拒まなかった。だから夏川媛は、景司が式に多少なりとも好意を抱いているのだと受け取り、たとえ自分が式を気に入らなくても、それ以上は口を出さなかった。

ところが――結婚してから二人の距離はずっと...

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