第38章 私は林田景司と離婚することになった

言い終えると、江口式は瞬き一つせずに林田景司を見据えた。冷たく、そして決然と。

林田景司はわずかに身をひねり、顔をそむける。舌先で、もう一度頬の内側を押した。

理解できなかった。前の件は、もう終わったはずだ。

喧嘩は喧嘩として――どうしてまた、離婚の話になる?

松本寧音のせいか。

それとも江口式が、屈辱に耐えきれず意地を張って自分の尊厳を守ろうとしているのか。

だが、あの決意の宿った目は、ただの意地には見えなかった。

ポケットの中でスマホが、ずっと震えている。

林田景司が取り出すと、通話はすでに自動で切れていた。着信は松本寧音。未接が三件並んでいる。

折り返す。

短い沈黙...

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