第43章 林田家は式ちゃんの永遠の後ろ盾

八階。

江口式は片手を窓枠に置き、階下の人だかりの中心で膝をついている女を冷たい目で見下ろした。瞳の色は霜みたいに冷えきっている。

吉田詩乃みたいな見栄っ張りが、衆目の中でこんな真似をさせられたら――どれほど胸が抉られるか。想像くらいはできる。

けれど、病に蝕まれ、悔しさを抱えたまま逝った母のこと。老いてなお娘を失った外祖父母のこと。

それを思えば、式の中に快感なんて欠片も湧かなかった。

吉田詩乃は、ただ一度膝をついただけだ。

あの女が今の立場にのし上がれたのも、もともと「膝をつく」ことで手に入れたものだ。彼女の尊厳など、式にとっては紙くず同然。

これは教訓だ。外祖父母が自分の...

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