第46章 彼は彼女を探しに来たのか?

病室を出て地下駐車場へ向かい、江口式は車に乗り込むなり、真っ先に林田景司へ電話をかけた。

昨日、自分が叩いたあの二発を根に持っているなら――こんなふうにこちらが弱っているタイミングを、見逃すはずがない。

だったら、頼めばいい。相手が気分よくなる言い方で、満足する形で。

外祖父のためなら、何だってする。

「用は?」

通話が繋がるなり、淡々とした声が耳に落ちてきた。

その冷たさに、江口式はふと昨日のことを思い出す。松本寧音と、その母親に向けていた、やわらかい口調。あの声音を、彼が松本寧音に対して冷ややかにしたことなど、一度でもあっただろうか。

「外祖父のことで、少しお話がしたくて」...

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