第51章 松本嬢と江口式、雲泥の差がある

江口式はベッドに横たわったまま身じろぎもせず、声を張った。

「具合が悪いの。やる気も出ないし、あなたが作って、あの人のところへ届けて」

すぐに長島さんの声が返ってくる。

「奥様、旦那様が奥様に作れとおっしゃるのは、奥様の手料理が食べたいからに決まっております。私の料理では、旦那様はきっとご満足なさらないでしょうし……奥様がなさってください」

江口式は目を閉じたまま、相手にしなかった。

それでも長島さんは引かなかった。声色に、じわりと脅しが混じる。

「奥様、ずいぶんお休みになったでしょう。ご飯を一度作るくらい、そんなにお疲れになりませんよ。旦那様をお怒らせになりたくはありませんでし...

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