第57章 同じ病院に住む

湯碗の蓋を開け、鶏スープに浮かぶ滋養の食材を見た江口式は、思わず手を止めた。

「……誰?」

「林田景司!」

電話の向こうで、後藤由紀の声が弾む。

「私、病院に風邪薬取りに行ってたの。ついでに式ちゃんの外祖父さん外祖母さんにも差し入れ持っていったんだけど、出てきたところで林田景司がさ、ものすごい勢いで中に駆け込んでいくのが見えたの」

「普段はあんなに冷たい感じなのに、あそこまで取り乱してるの初めて見た」

「気になって追いかけたら……松本寧音が、涙だらけで景司に飛びついてたんだよ!」

「……林田景司、松本寧音には本気すぎるでしょ」

以前、林田景司に外祖父と外祖母の見舞いを頼んだと...

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