第58章 玩ばれて捨てられた中古品

あれ以来、保坂臣は江口式に二度、連絡してきた。

そのときは体調が悪くて、どちらも断った。

「もう諦めたのかな」と思っていたのに、また連絡が来る。

――いったい、何を話したいんだろう。そこまでして。

江口式は少し考え、店の位置情報を開いた。会社から遠くない。

『十五分後に着く』

そう返して、車を出す。

保坂臣が予約した個室に入ると、すでに料理は頼まれていた。テーブルの上には、彼女の好物がずらりと並んでいる。けれど江口式は箸を取らなかった。

「私に何の用?」

用件を済ませるために来た。話が終わるまでは、食べる気になれない。

何より――保坂臣と同じ卓を囲むこと自体が、落ち着かな...

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