第64章 こんなのはあまりにもひどいと思わないか

坂東紫苑はよくわからなかったが、深くは追及しなかった。

「うん。絶対に言わない」

「ありがとう、紫苑」

江口式は微笑んでそう言った。

紫苑は江口式の腕にぎゅっと抱きつき、ぶんぶん揺らす。

「お姉ちゃん、こっちこそありがとうだよ。なんで私、もっと早くお姉ちゃんに出会えなかったんだろ」

少し離れた場所から、その仲睦まじい様子を見ていた林田秋実は、見れば見るほど腹が立ってきた。

「坂東紫苑ってほんとバカ! 江口式に甘えたりして!」

進藤林は、あの日レストランで見かけた場面を思い出す。林田秋実に耳打ちするように言った。

「江口式って、ちょっとやり手だよな。下手したらそのうち、坂東紫...

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