第27章

写真を撮り終えると、香椎早希はスマホをしまい、二度と画面を見返さないまま踵を返した。

八神煉はその背を追い、瞳の奥の色をいっそう深くする。

ふたりは前後して、八神煉の部屋へ戻った。

「八神社長……ご馳走さま。私の好みだったわ」

香椎早希は視線を上げ、目の前の男を淡々と見据える。感情の揺れは欠片もない。

「それじゃ、利息の話をしましょう」

八神煉は彼女と目が合った瞬間、まぶたを伏せるように目の色を落とした。

「……やっぱり、お前は変わらないな」

「何のこと?」

香椎早希は眉をひそめる。どうして今さら昔の話になるのか。

けれど八神煉は答えず、窓辺へ歩いて夜景を見下ろした。

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