第31章

香椎早希はそのメッセージ画面を閉じ、別の連絡先に切り替えると、森田悠馬宛てに文面を打ち込んだ。

【森田部長。雲雀社長から緊急の書類を今すぐ届けるようにと言われています。書類は私のデスクの上にあります】

送信した、その瞬間。

森田悠馬からは、ほとんど秒で返信が来た。

【承知しました】

香椎早希は伏せた睫毛の奥で、冷たい色を一瞬だけ走らせる。スマホの画面を消し、踵を返して会議室へ向かった。

手は打った。あとは――待つだけ。

一方、森田悠馬はメッセージを受け取るなり、手元の作業を放り出して席を立った。デスクの書類を掴み、社長室へ急ぐ。

オフィスの角を曲がったところで、ちょうど竹内結...

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