第36章

宴がはねた頃には、もう夕暮れだった。

親戚たちが帰っていくなか、香椎早希は雲雀京介の腕にそっと絡み、玄関ホールを出ていく。竹内結菜は、その少し後ろをついてきた。

歩幅は遅い。両手で小さな腹を庇うように押さえ、街灯の光を浴びた顔色は、紙みたいに白かった。

雲雀家の親戚が通りすがるたび、遠慮のない嘲りの視線が結菜へ突き刺さる。それがまた、彼女の居場所を削っていく。

雲雀京介と早希が車寄せに差しかかったとき、黒いセダンが待っていた。運転手がすでに後部ドアを開けている。

けれど早希は足を止め、ふと何かを思い出したように振り返った。視線の先は、結菜。

「京介。結菜をひとりで帰らせるのは危な...

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