第47章

「早希?」

雲雀京介の声が耳元で弾けた。濃い心配と焦りが滲んでいる。

彼は香椎早希を一息に腕の中へ引き寄せ、きつく抱きしめた。背をぽん、ぽんと叩いて宥める。

「もう大丈夫だ。平気。……ただの夢だよ」

強く抱かれたまま、早希は大きく息を吸っては吐いた。意識がまだ靄の中に漂っている。

彼の胸に顔を押しつける。それでも身体は、勝手に震えをやめてくれない。

「……怖い」

京介の胸が、見えない手でぎゅっと握り潰されたように痛んだ。息が詰まる。

彼はただ、同じリズムで背を叩き続ける。声はこれまでになく柔らかい。

「怖がるな。もう終わった。俺がいる。誰にも、二度とお前を傷つけさせない」

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