第15章

会議室の重い扉が押し開けられた。長卓の両脇には狩野グループの取締役と幹部がずらりと並び、十数本の視線がいっせいに入口へ突き刺さる。

絵里奈は、空っぽの目でそこに立っていた。

「これが冬月家の代表か?」

ある取締役が眉をひそめ、万年筆で卓をコツコツ叩く。

「そのツラで来るなんて、冗談にもならん」

周囲から、わざとらしく低い声の囁きが起こる。嘲りの熱が、空気をぬるく濁した。誰もが彼女の失態を見たがっている。

絵里奈は聞こえないふりをした。

一歩、また一歩。プロジェクターのスクリーン前へ進む。

「始めます」

長卓の奥、議長席。

真琴はそこに座り、万年筆を指先でくるりと回している...

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