第27章

書斎の扉が背後で閉まり、床一面に散らばった紙屑の気配を、ぱたりと断ち切った。

絵里奈は遠くへは行かなかった。冷えきった壁にもたれ、身体をずるずると滑らせるようにして、廊下の高価な絨毯へ座り込む。

泣かなかった。涙なんて、とっくに擦り切れている。あまりにも多すぎた屈辱の中で、全部。

「お姉ちゃん……」

俯いたまま、紙屑を拾ったせいで切り裂かれ、血だらけになった両手を見つめる。独り言みたいに掠れた声。なのに、その底には生き物の温度がない。

「まだ死ねない。私の命は、お姉ちゃんがくれたものだもん……願いが叶ってないのに、どうして死ねるの。どうして、会いに行けるの……」

乾いた唇を噛みし...

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