第161章 お世話してあげる

伊原綾音が目を覚ますと、澄川琉生が隣で横になっていた。腕で彼女を抱き寄せたまま目を閉じているのに、眠ってはいない。伊原綾音がわずかに身じろぎしただけで、彼はすっと瞼を上げた。

「起きたか」

低く沈んだ声。

伊原綾音は目をこすり、掠れた声で訊く。

「何時?」

「もうすぐ七時だと思う」

その時間を聞いた瞬間、伊原綾音は慌てて彼を押しのけた。

「なんで起こしてくれないの?」

起き上がりながら、つい責める口調になる。

「疲れてたから。もう少し寝かせてやりたかった」

琉生も身体を起こし、視線だけは彼女から外さない。

伊原綾音は脇に置いてあった寝間着を羽織ってベッドを降りた。が、二...

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