第6章
ダンテ視点
ロレンツォは武器を降ろさなかった。俺もだ。ドメニコはただ、凍りついたように立ち尽くし、アレッサンドロを凝視していた。
アレッサンドロが手を上げ、一度、パチンと指を鳴らした。
彼の部下たちは素早く動いた。車から機材を運び出す。巨大なLEDスクリーン、プロ仕様のスピーカー、何らかのプロジェクター装置といったものだ。彼らは無言で作業を進め、墓地の端に、手際よくすべてを設置していく。
「これは一体、何の真似だ?」ドメニコの声は震えていた。「お前たち、何を――」
「ヴァレンティナの最後のメッセージだ」アレッサンドロが歩み寄ってきた。「彼女が君たちに遺したものだ。君たち全員にな...
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