第8章

血が凍りつくような感覚に陥り、心臓の音が耳元で轟く。

「なぜメッセージを返さなかった?」

神代時臣は、今日の天気でも尋ねるかのように平淡な口調で問いかけた。

「説明できます!」「説明させてください!」

藤原悠介と私が同時に口を開いた。

神代時臣の視線が私から藤原へと移り、また私へと戻ってくる。そして冷ややかに言った。

「無関係の者と会い、一時間以上も私のメッセージを返さない。梨花、反省文の枚数を増やしてほしいのか?」

私は無意識に首を横に振る。喉が渇ききって、声が出なかった。

神代時臣は背後に控えるスーツ姿のボディガードに目配せする。

「藤原さんにはお引き取り願...

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