第8章

その日の夜、喫茶店の営業が終わると、店内には私と彼の二人だけになった。今日の昼に望月さんから告げられた、二人でこの店を共同で引き継ぐという話について、私たちはまだちゃんと話せていなかった。

「この話、大丈夫なの?」エスプレッソマシンを掃除する浩二くんに、私は尋ねた。「毎日、一緒に働くことになるけど……」

「実は」彼は顔を上げ、はにかんだような笑みを浮かべた。「俺は、これ以上嬉しいことはないと思ってる」

私の心臓が、とくん、と跳ねた。「じゃあ、私たちは……パートナー、ってこと?」

「あらゆる意味でね。そうなれたらいいな」彼は優しく言った。

私たちは焦らず、仕事を通して自然に関係...

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