第149章

一ノ瀬美琴はソファに座り、奥歯をぎり、と噛みしめていた。九条湊が入ってきたのを見て、無理やり笑顔を作って駆け寄ろうとした、その瞬間――

喉元を掴まれ、壁へ叩きつけられる。

「湊……」

「今日、紗月の部屋に忍び込んで、何をするつもりだった」

九条湊の目は暗く濁り、声は低く押し殺されているのに、殺気だけは隠しようがなかった。

「低血糖だとか、そんな馬鹿な言い訳で誤魔化すな。俺が入ったとき、お前は確かに――あいつのパソコンを弄ってた」

一ノ瀬美琴は無理やり顎を上げさせられ、涙が一気に溢れた。

「ちがう……っ。ほんとに、壊そうなんて思ってない……!」

設計データを潰すつもりだったなど...

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