第152章

シャンデリアは眩いほどに輝き、会場は招待客で埋め尽くされていた。

主賓席には笠木奥様が腰を据え、その隣には一ノ瀬美琴。艶やかな真紅のオートクチュールに身を包み、周囲の名士たちのへつらいを心地よさげに受けている。

九条湊は宴会場の入口に立ったまま、何度もスマホを確認していた。

もう三十分。

一ノ瀬紗月は姿を見せない。電話も繋がらない。

胸の奥で、不安が雑草みたいに伸びていく。

外の雨はさらに激しさを増し、湊は苛立つようにネクタイを引いた。踵を返し、エレベーターへ向かう。

待っていられない。戻って、彼女を探す。

ロビーに差しかかった、そのときだった。

ホテルのラウンジにある巨大...

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