第105章

不破蓮が彼女を疑うはずもなかった。わずかに眉を寄せる。

「誰なんだ?」

「分からないの。どうしても言おうとしなくて」

神崎結菜は首を横に振った。

「こっちで調べてみる。白鳥美咲がそこまで言い切ったんだもの、スマホの中に何か手がかりが残ってるかもしれない」

「ああ」

不破蓮は、疲れのにじむ彼女の横顔を見つめ、額にかかった後れ毛をそっと耳の後ろへ払った。

「疲れてるなら、少し上で休め。夕飯まではまだ時間がある」

「寝ない」

神崎結菜は目を開けた。

「それより、傷の消毒はしたの?」

「した」

「いつ?」

不破蓮は薄く唇を緩めた。自分を気にかける彼女の様子が、たまらなく嬉し...

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