第84章

電話を切った瞬間、神崎結菜の頬は真っ赤に染まっていた。

洗面所から出てきた君島成子が、そのリンゴみたいな頬を見てぎょっとする。

「ちょっと、どうしたの? 熱でもあるんじゃない?」

「ない……」

結菜は小さく咳払いして、否定した。

成子は彼女のスマホをちらりと見て、意味ありげに「ふーん」と頷く。

「わかった。カップ麺の湯気にやられたんだ」

「食べても、あんたの口は塞がらないのね」

結菜が睨みつけると、成子は肩をすくめて笑った。

午後、帝都にある高級美容SPAサロン。

三ノ宮梢子が神崎清美を呼び出し、二人でマッサージを受けることになった。

「清美、顔色すごくいいじゃな...

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