第101章

下腹部を襲う激痛と目眩(めまい)に、朱月の視界が暗転する。

全身の力が抜け、その場に崩れ落ちそうになった。

意識が完全に途切れる寸前、力強い両腕が彼女をしっかりと受け止めた。

朱月は重い瞼をこじ開け、ぼやける視界の中で彫りの深い顔立ちを認めた。

圭介だ。

なぜ、彼がここに?

圭介は、すぐ近くの樫の木の下で抱き合う男女を一瞥し、次いで腕の中にある蒼白で冷や汗に塗れた朱月の顔へと視線を落とす。

その瞳が、瞬時にして暗く沈んだ。

彼は無駄口を叩くことなく、彼女を抱きかかえる腕にさらに力を込めると、不遠に停まっている黒塗りのセダンへと大股で歩き出した。

「社長?」

後ろに控えてい...

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