第119章

江良は手を伸ばし、朱月の強張った肩をぽんぽんと叩いた。その口調は、先ほどよりもずっと柔らかいものだった。

「あなたのデザイン画は拝見したわ。素晴らしい才能を感じた。三位というのは不本意でしょうけれど、今のルールの中では、あれが私たちにできる精一杯だったの」

言い終えると、江良は颯爽と踵を返し、審査員席へと戻っていった。

朱月はその視線を追った。

遥か頭上、貴賓席に圭介が座っていた。

彼は赤ワインのグラスを手にしていた。遠く離れた群衆と喧騒を隔て、彼女に向けて静かにグラスを掲げる。

その瞬間、朱月の心臓がトクリと跳ねた。

江良と圭介……二人は一体、どういう関係なのだろうか。

デ...

ログインして続きを読む