第120章

朱月の静かだが断固とした拒絶の言葉は、見えない平手打ちとなって大志の頬を激しく打ち据えた。

ネックレスを掲げていた彼の手が、無様に空中で凍りつく。眼底に走った狼狽は瞬く間に消え去り、代わりに拒絶されたことへのどす黒い羞恥と怒りが湧き上がった。

「朱月、何を言っているんだ?」

大志は声を潜めたが、その口調には明らかな警告が滲んでいた。

「俺は最大限の譲歩をしたんだぞ。そのつまらない自尊心のために、いつまで駄々をこねるつもりだ? 好意を無にするな」

「好意を無にする?」

朱月は鼻で笑った。その虚飾に満ちた仮面を引き剥がしてやろうとした、その時だ。

大志のスーツのポケットで、スマート...

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