第35章

朱月がその窒息しそうなオフィスを出た瞬間、デザイン部の空気は凍りついたようだった。

廊下で声を潜めていた同僚たちは、彼女が通りかかるとぴたりと口をつぐんだ。

視線は泳ぎ、決して彼女と目を合わせようとはしない。

ある者は書類に顔を埋めるふりをし、ある者は給湯室へ向かうふりをして、露骨に彼女を避けるルートを選んだ。

席に戻った朱月は、考えるまでもなかった。これは大志の仕業だ。

彼はその絶対的な権力を行使し、全員に警告を発したのだ。「朱月に関わるな、さもなくばどうなるか分かっているな」と。

なんと滑稽な話だろう。

結婚という名の檻に彼女を閉じ込める一方で、職場では悪臭を放つゴミか何か...

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