第54章

その時、さらに威厳に満ちた声が響き渡った。

「あなたたち、何をしているの?!」

デザイン部長の麗奈が、ちょうどコーヒーを片手に通りかかったのだ。床に散らばる書類を目にした瞬間、彼女の顔色は一瞬にして凍りついた。

かつかつとヒールを鳴らして近づいてくる足音には、隠しきれない怒気が滲んでいる。

「誰が会社の機密に触れていいと言った?」

麗奈の声は、まるで犯人を尋問するかのように鋭い。

「朱月! よくも会社のデザイン案を盗もうとしたわね!」

「盗むだなんて、人聞きが悪いです! これはもともと私が担当していたプロジェクトじゃないですか!」

朱月は慌てふためいた様子を装った。

「すぐ...

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