第55章

スタジオを借り、機材を揃えるのにある程度の資金は消えたが、手元に残った金も決して少なくはない。

紗世は朱月の肩を抱き寄せ、力強く揺さぶった。

「心配しないで、聞いて! あいつの脅しなんて怖くないわ。私に貯金があるのを忘れたの? 最終審査が終わるまで持ちこたえるには十分な額よ。最高級の生地を買って、一番いいモデルを雇いましょう!」

「それに、林田教授だってあなたのことをあれほど認めてくれているじゃない」

紗世は完成間近のドレスを指差した。

「たとえオミネグループがバックにいなくたって、その才能があればどこでだってやっていけるわ! あんな男、恐るるに足りないって!」

そうだ、自分は一...

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