第59章

白いドレスは、まるで闇の束縛から解き放たれた一筋の月光のように、滑らかに零れ落ちた。

どこか冷ややかさを帯びた白。照明の下で真珠のような柔らかな光沢を放つその生地は、カッティングこそ鋭利だが、余計な装飾は一切削ぎ落とされていた。

朱月が素早く上着を脱ぎ捨てると、待ち構えていた紗世がドレスの腰元を支え、彼女の体を通した。

ドレスは、彼女の身体の曲線に吸い付くように完璧にフィットした。

絶妙に絞られたウエストライン。裾は足首のわずか上で止まり、彼女が動くたびに優雅な漣となって揺らめいた。

「やっぱり、思った通り……」

鏡の中の朱月を見つめ、紗世が夢遊病者のように呟く。その手は休むこと...

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