第61章

制服に身を包んだ二人の法務局員が足早に彼女へ歩み寄り、左右からその両腕をがっしりと拘束した。

「紗奈さん。公文書偽造および信用毀損の疑いがあります。ご同行願います」

紗奈は会場から引きずり出されていく。その金切り声のような、調子外れの否定の言葉が広大なホールに反響し、やがて重厚な扉によって完全に遮断された。

茶番劇は、こうして幕を閉じた。

林田教授は朱月に目配せし、いつもの厳粛な声色に戻って言った。

「朱月、プレゼンを続けなさい」

朱月は深く息を吸い込み、頭の中の雑念をすべて追い払った。

再びランウェイの中央に立つと、スポットライトが彼女を照らし出す。

彼女は背筋を伸ばした。...

ログインして続きを読む