第69章

互いに身体を重ね合わせたその隙を見て、紗奈は音もなく自分のスマートフォンを手に取った。

彼女は巧みに角度を調整し、一枚の写真を撮る。

上半身裸で泥のように眠る大志。その胸に親しげに寄り添い、事後の紅潮を浮かべて満ち足りた表情を見せる自分。

続いて、短い動画も撮影する。映っているのは、二人の絡み合った肢体と、大志の重苦しい寝息だけ。

彼女は躊躇うことなく、それを朱月へと送信した。

添えられたメッセージは、挑発そのものだった。

『朱月、あなたの旦那様、今すごく慰めが必要みたい。でも、男の癒やし方は私の方が上手みたいね』

……

翌朝、大志は頭を割られるような激痛と共に目を覚ました。...

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