第71章

朱月の体の震えが止まり、涙も枯れ果てた。

彼女は再びスマートフォンを手に取った。指先はまだ強張っていたが、それを叱咤するように無理やり動かした。

紗奈から送りつけられた写真を開く。削除はしない。それどころか、一枚一枚、丁寧に保存していく。

続いてメッセージ画面のスクリーンショットを撮り、暗号化された個人用クラウドストレージを開く。写真とスクショをすべてそこへアップロードした。

以前届いたアダルトグッズの明細書や、匿名の動画データもそこへ放り込む。そしてフォルダを作成し、簡潔に『証拠』と名付けた。

全ては将来のため。いずれ訪れる避けられない戦い――離婚裁判のための弾薬だ。

自分のた...

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