第72章

翌朝、朱月のスマートフォンの画面が明るくなり、ニュースの通知が届いた。

発信元はオミネグループの公式アカウントだ。

画面を埋め尽くしているのは、やけに彩度の高い一枚の写真だった。

遊園地のメリーゴーランドを背景に、大志と朱月が並んで立っている。

彼は親密そうに彼女の肩を抱き寄せ、二人ともカメラに向かって非の打ち所がない笑顔を浮かべていた。

添えられた文章は、胸焼けするほど甘ったるいものだった。

【オミネグループ社長緑川大志と緑川朱月夫人、ロマンチックな週末を満喫。結婚八年目も変わらぬ愛。】

朱月の胃の腑が不快に蠢いた。

これは彼のイメージを守るための、ただの演出写真だ。

こ...

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