第94章

真久巡査は書類を受け取り、数回目を通すと顔を曇らせた。

チャットのログは詳細で、送金履歴や違法薬物の注文番号まで揃っている。証拠の連鎖は完璧だ。

「有馬杏沙さん」真久巡査はファイルを閉じ、床にへたり込んだ少女を見下ろした。「なぜ神経興奮剤などを購入したのですか? それに、事行前に犬を凶暴化させる方法を検索していたのはどういうことですか?」

杏沙はガタガタと震え、唇からは血の気が引いていた。

彼女は紗奈に助けを求める視線を送った。「お姉ちゃん……私……助けて……」

その瞬間、紗奈の表情が揺らいだ。

恐怖、打算、そして怨毒。様々な感情が彼女の瞳の奥を高速で駆け巡る。

彼女は書類を凝...

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