第116章

そう言い残すと、周防緋音は自分のバッグを手に取り、白川本家を後にした。

車のキーを取り出し、ドアを開けようとしたその時、ピンク色のスポーツカーが遠くから近づいてきて、彼女のすぐ横にピタリと停まった。

見なくてもわかる。周防侑子に決まっている。

周防緋音は相手にするのも面倒だったが、周防侑子の方は執拗だった。

彼女は気取った様子でスポーツカーから降りると、怒りに満ちた目で周防緋音を睨みつけた。

「カズと離婚したくせに、まだここへ何しに来てるのよ?」

「お祖母様の顔を見に来ただけよ。あなたには関係ないでしょ」

周防緋音も容赦はしない。

「あんたのその汚い下心なんてお見通しよ。白川...

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