紹介
緋音の身体は彼の下で震え、乳首はシーツに押し付けられ硬く立ち、濡れそぼった秘所が彼を求めて疼いていた。
四年間の無償の献身の末、周防緋音は彼の初恋の人に冷酷に取って代わられ、炎のような裏切りですべてを失った。心を砕かれた彼女は過去を捨て去り、科学界の寵児テッサーとして頭角を現し、才能と求婚者たちに囲まれていた。
彼女への愛の記憶に憑かれた彼は、あらゆる障害を焼き尽くしてでも彼女を取り戻そうとする。
果たして彼は、不屈の元妻を取り戻すことができるのだろうか?
チャプター 1
「白川和夜……やめて」
周防緋音は胸の前で両手を交差させ、自分の上にのしかかる男を見つめた。
白川和夜が二ヶ月もの間、外で派手な女性関係の噂を振りまいた挙句、突然帰宅したかと思えば、まさかこんなことをするなんて。
寝室には常夜灯が一つ灯っているだけだ。その暖かな光が、男の彫刻のように整った顔立ちを浮かび上がらせている。
鋭い黒瞳は、獲物を狙う鷹のようだ。
白川和夜は何も言わず、彼女のネグリジェを乱暴に剥ぎ取ると、その大きく分厚い掌を彼女の肌の上で滑らせた。
周防緋音の身体はすぐに熱を帯びた。華奢な両手を白川和夜の逞しい胸板に押し当てるが、美しい瞳にはすでに情欲と涙の霧がかかっている。
「あなた、は……」
拒絶の言葉を紡ぐ間もなく、欲望が彼女を飲み込んだ。
白川和夜は彼女を道連れに、快楽の深淵へと堕ちていく。
いつの間にか窓の外では小雨が降り始めていた。雨が叩く音と、室内で響く男の低い喘ぎ、そして女の震える嗚咽が、皮肉にも完璧な合奏曲を奏でている。
全てが終わった時、周防緋音には指一本動かす力も残っていなかった。まるで大型トラックに轢かれたかのように全身が重く、特に下半身は酷い痛みと倦怠感に襲われている。
無理やり上半身を起こすと、白磁のような肌には無数のキスマークが刻まれていた。鎖骨から下腹部に至るまで、白川和夜の唇と舌が這った痕跡だ。それらは先ほどの行為がいかに激しかったかを物語っている。体位だけでも十数種類、さらに新しい試みまで強要されたのだから。
周防緋音は浴室で身を清めようとしたが、ベッドから降りる間もなく、再び白川和夜に引き戻された。
今夜の彼は、尽きることのない情熱と体力を持ち合わせているようだった。
白川和夜は広い肩に周防緋音の細い両脚を担ぎ上げ、彼女の唇を貪りながら、再び身体を裏返して貫いた。
昨夜、祖母が語った重々しい言葉と、虎視眈々と隙を窺う親族たちの視線が脳裏をよぎる。
白川和夜の薄い唇が周防緋音の耳元に寄せられ、情欲に染まった低い声が鼓膜を震わせた。
「俺の子を産め。いいな」
珍しく穏やかな、まるで相談するかのような口調だった。
だがその言葉は、周防緋音の意識を一瞬で覚醒させ、心臓に濃い苦渋を走らせた。
結婚して数年、白川大奥様が何度も孫を催促しても、白川和夜はずっと拒み続けてきた。それなのに、今回自ら子供を望んだのは、周防侑子が帰国するからなのだろうか。
彼女は自嘲気味に思う。
残念ながら、白川和夜は失望することになるだろう。彼女は妊娠しにくい体質なのだから。
あの年、十八歳の雪山で味わった骨まで凍るような寒さ。烈風は彼女の血液さえも凍らせようとしていた。
あの時、生きようとする唯一の支えだったのは、白川和夜の約束だった。下山したら結婚しようと、彼は確かに言ったのだ。
けれど結局、彼女を待っていたのは、彼と周防侑子の婚約の知らせだった。
交わした約束は風に吹かれて跡形もなく消え去った。それが、白川和夜による二度目の裏切りだった。
彼女はもう、見返りを求めない献身に慣れてしまっていた。
周防緋音の反応がないのを見て、白川和夜は罰を与えるかのように腰の動きを強め、無理やり彼女の意識を引き戻した。
「いいな?」
同じ言葉だが、今度は強制的な響きを帯びていた。
周防緋音は全身の力を振り絞り、心臓を雑巾絞りにされるような痛みを抑え込んで答えた。
「……ええ」
一晩に二度も激しく求められ、ベッドから降りる時には脚が震えていた。鉛のように重い体を引きずり、浴室へと向かう。
身支度を整え、バスローブを羽織って出てくると、白川和夜の優しく忍耐強い声が聞こえてきた。
「怖がるな。家でいい子にして待ってろ。すぐに行くから」
窓際で電話をかける白川和夜の瞳は、とろけるように柔らかい。
周防緋音はその場に立ち尽くし、全身が冷え切っていくのを感じた。目に砂をかけられたように、焼けるような痛みが走る。
考えるまでもない。電話の相手が誰かなんて明白だ。
彼女は十歳の頃から白川和夜を知っている。
けれど、彼のそんな優しい表情は、周防侑子だけに向けられるものだ。
外の雨脚が強くなってきた。
轟く雷鳴が空を引き裂こうとしている。
昔の彼女なら、雷を一番怖がっていたはずだ。
周防緋音は強く拳を握りしめた。
電話を切った白川和夜は、ようやく入り口に立つ周防緋音に気づいた。眼底の優しさは瞬時に消え失せ、氷のような冷たさに変わる。
白川家には厳格な家訓がある。長男は家族が認めた女性との間に跡取りを設けなければ、家産を完全に継承できない。
白川家の財産のためでなければ、彼は彼女に子供など求めなかっただろう。
白川家の安定のため、ライバルにつけ入る隙を与えないためでなければ、彼は彼女に子供など求めなかっただろう。
「薬を飲むのを忘れるな」
今回飲むのは避妊薬ではない。排卵誘発剤だ。
財産の継承権さえ手に入れば、長男さえ生まれれば、周防緋音を捨てることができる。
だが、なぜか周防緋音を抱くたび、身体は本能的に安らぎを覚え、無意識に近づきたいと渇望してしまう。
白川和夜は頭を振り、冷徹な表情を保ったままそう言い捨てると、ジャケットを手に取り、躊躇うことなく雨の夜へと消えていった。
周防緋音は窓辺に歩み寄り、マイバッハが去っていくのを見送った。
瞳には絶望と苦渋が滲んでいる。あの雪山から、自分は生きて帰ってこられなかったのではないかと、何度も思うことがあった。
あの骨身に染みる寒さは、十八歳から二十八歳になった今も続いている。
周防緋音は思考を断ち切り、朦朧とした意識でベッドに潜り込んだ。夢の中で、過去の光景が蘇る。
十歳の白川和夜は、永遠に彼女を守ると言った。十八歳の彼も、彼女を妻にすると約束した。
しかし誰が想像できただろう。二十四歳の彼が交通事故に遭い、下半身不随となって車椅子生活を余儀なくされるなんて。
時代の寵児は一夜にして泥沼へと墜落した。
彼は偏執的なまでに狂い、周囲の人間を遠ざけた。周防侑子が海外へ行くことを選んだ時、それは彼に致命的な一撃を与えた。
誰もが白川和夜の人生は終わったと思い、見限った中で、周防緋音だけが三年間、献身的に彼のリハビリに付き添った。さらに彼女が密かに手配した数々の治療のおかげで、ついに白川和夜は立ち上がることができたのだ。
メディアはこの出来事を「医学の奇跡」と称えた。
全てが良い方向へ向かうはずだった。しかし、周防侑子も帰ってきた。
長年かけて彼の凍りついた心を溶かせたと思っていたのに、周防侑子が戻り、たった一度視線を送るだけで、彼は全てを投げ出して彼女のもとへ走ってしまう。
夫婦という名分はあるものの、白川和夜には常にスキャンダルが絶えない。
無知で純粋だった少女が今の姿になるまで、一生分の愛情を白川和夜一人に注いできた。けれど、本当にもう疲れてしまった。
決して振り向かない人を追いかけ続けること。
それはまるで深い霧の中を歩くようなものだ。前も見えず、方向も分からず、疲労困憊しているのに、光のある場所へ辿り着けるかもしれないと、歯を食いしばって歩き続けている。
その夜、周防緋音の眠りは浅かった。何度も寝返りを打ち、悪夢が目に見えない手となって彼女の首を絞め続けた。
翌朝、周防緋音はスマートフォンを手に取った。ニュースのトップには、巨大財閥の継承者・白川和夜が天才デザイナー・周防侑子の自宅に深夜出入りする様子が、これでもかというほど報じられていた。
見出しは太く大きく、目立つ赤字で飾られている。
周防緋音の胸の痛みが増し、見えない刃が何度も心臓を貫く。
その時、白川和夜からメッセージが届いた。
『夜は家で待ってろ。葉酸はちゃんと飲んでるか』
周防緋音はそのメッセージを見つめながら、白川和夜の冷たく、不機嫌そうな表情を想像した。
彼は子供を作ることを、ただの任務だと思っているようだ。
では、私は何?
器?
彼が約束から解放されるための道具?
結局のところ、彼は大奥様に「必ず子供を作る」と約束してしまったのだから。
昼間は周防侑子と一緒に過ごし、彼女のベッドから抜け出して、またこちらへ来る。
それとも私は、白川和夜がいつでも性欲を処理できる便利な道具でしかないのだろうか。
透き通った涙の粒が、目尻から滑り落ちた。
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***
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「?」













