第15章

「開けろ」

白川和夜がドア越しに叫んだ。

周防緋音は冷ややかな視線をドアに向けた。起きているのに、こう告げる。

「もう寝ました」

「また鍵をかけたな。俺を避けてるのか?」

白川和夜はドアノブをガチャガチャと回し、さらに声を低くした。

周防緋音はサイドテーブルの常夜灯を見つめながら答えた。

「離婚するんですもの、きっぱり終わりにするべきよ。変な噂が立たないように、これからは寝室も分けるわ」

「誰が俺の噂などするものか。開けろ」

白川和夜はずっとこうだ。この唯我独尊な態度。

彼女はもう慣れてしまった。

彼は一度たりとも自分を疑ったことがない。自分の言動に微塵の迷いも持たない...

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